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有限会社ナスカ一級建築士事務所
162-0052 東京都新宿区戸山3-15-1 日本駐車ビル4F
T 03-5272-4808 F 03-5272-4021

希望ヶ丘プロジェクト NASCA棟Kibougaoka Project 

福島県郡山市

設計 八木佐千子+NASCA
用途 事務所
構造 WOOD ALC
規模 地上1
敷地 153.89㎡
延床 65.6㎡
竣工 2015.04

この建築群は、東日本大震災並びにその後の原発事故の影響で現在も避難されている方を対象とし、福島県の仮設期から復興に向けての住まい・まちづくりの支援を目的とした、難波和彦、嶋影健一、八木佐千子、浦部智義、はりゅうウッドスタジオをコアメンバーとする県内外の建築関係者有志により設立された団体の活動拠点である(NPO団体 福島住まい・まちづくりネットワーク)。4つの木造戸建てから成る小規模集落モデルで、各棟それぞれが復興住宅への応用を視野に入れている解体・移築可能な木質構法を採用し、中央の中庭を介して繋がっている。県産材WOOD ALCを用いた復興モデルである。NPOの集会やイベントへの活用を想定している。内外壁、耐力壁、柱、水平横架材を総て120mm厚の「WOOD ALC」版で構成し、版間にガラスや戸を嵌め込むのみ。「解体・移築」の容易な木構法を提案した。同様の主旨と構法で2012年福島市内に浪江町の避難者のために仮設の小さな図書館を設計したが、今度はそれの常設版にトライした。WOOD ALCは準耐火外壁性能も既に認定取得済みであり、内外木質のアラワシの素の空間が叶った。環境調整装置としての小屋裏を設けたが、更に内側に素材を着せ替えすることでカスタマイズが可能。
いつかその日が来たら移築も可能。そんな愛着の持てる建築を提案したかった。

撮影 淺川 敏