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有限会社ナスカ一級建築士事務所
162-0052 東京都新宿区戸山3-15-1 日本駐車ビル4F
T 03-5272-4808 F 03-5272-4021

宿毛まちのえき林邸Sukumo Hayashi House

高知県宿毛市中央3-1-3

設計 古谷誠章+NASCA 保存再生計画:早稲田大学古谷誠章研究室
用途 コミュニティースペース、カフェ
構造 W
規模 地上2
敷地 1,864.09m2
延床 494.69m2
竣工 2018.04
受賞 2018.高知県木の文化賞

宿毛市は幕末維新に活躍した多くの政治家や偉人の故郷である。その中でも林家は近代日本初となる、有造、譲治、迶と3代続けて大臣を輩出し近代日本の発展を支えた一家である。林邸は林有造が明治22年に創建、その政治活動の場として用いられ、現在でも当時の自由民権運動を思わせる邸宅として宿毛市民から親しまれていた。林邸はこれまで個人の私有財産であったが、築130年近くが経過し老朽化が激しい状態であった。この度、宿毛市への寄贈・改修の機会を得たことから、この貴重な歴史的建築が地域の記憶装置として未来へと継承されるように、単純な復元では無く地域の人々の活動の場として更新することを考えた。建築を「文化的改修」と「現代的改修」の2つのエリアに分けることで、宿毛市の中で観光やまちづくりの中心としても機能し、地域外の人々も訪れる施設となることを目指した。また東大稲山教授と協働し、障子に合わせ配置することで和室において存在感の無い「ガラス耐震壁」と、視線や光を透過し美しい陰影を生じる「組子耐震壁」を採用した。設計・施工中を通してワークショップを複数回開催し、住民の意見を空間に取り入れるとともに竣工後の具体的な活用方法まで計画を行った。

http://www.city.sukumo.kochi.jp/docs-18/p300427.html

撮影 淺川 敏