同志社香里中学・高等学校 メディアセンター 繋真館Doshisha Kori Media Center
大阪府寝屋川市三井南町15−1
設計 | 八木佐千子/NASCA+partners |
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用途 | 中学・高等学校 図書室 |
構造 | S+RC |
規模 | 地上2 |
敷地 | 79,910.95㎡ |
延床 | 877.48㎡ |
竣工 | 2021.4 |
受賞 | 2018年.同志社香里中学校・高等学校メディアセンター設計プロポーザル 最優秀賞、2021年.ねやがわ建築賞 市長賞 |
■つなぐ(繋ぐ)
繋真館(=メディアセンター)は中庭の「香里の森」と共生し、隣接する既存校舎を繋ぐことでできた建築です。ここは生活、交流の十字路として生徒や教職員たちが日常に出会い、様々なもの、自然、光、風、時間、空間、風景、本、メディアなどに遭遇できる生活の舞台としての学校空間の中心を担います。中庭の既存樹木をできるだけ残し、館内のいたるところから窓先には緑を望むことができます。また、既存校舎の壁をリフレクタとし柔らかな間接光として利用することで随所に内外が溶け合う空間が生まれています。この繋真館が事実上ハードもソフトもハブとなって、人々が一日を過ごすキャンパス全体の生活空間を緩やかに繋いでいきます。
ICTやバーチャルな情報伝達が発達し、コミュニケーションツールが急速に変化していく今だからこそ、中学校・高校生の生徒たちには人と人が直接出会い、直に啓発されることの意義は重要だと思います。登下校時に通り抜けに利用した生徒が、特別な目的がなくてもここを訪れ、思い思いの時を過ごし、各々が、お気に入りの居場所を見つけ出し、自分自身の将来や夢を発見する場となることを期待しています。
■全ての場所が「知の拠点」となるワンボックス
これからの図書室はただ本を読むための場所ではなく「学習」「研究」「発表」「交流」「鑑賞」「創作」の場となります。これらが全館にシャッフルされ全ての場所が開かれた「知の拠点」となりうる計画です。メディアセンターは時代とともに社会や教育環境の要請に応えて質的にも量的にも大きく変化します。ここでは、時間や季節に応じて変化を楽しめる将来可変可能なワンボックス空間をつくり、その都度ニーズに応じたしつらえを家具でつくることで将来の教育空間に柔軟に対応します。
撮影 淺川 敏