阿波銀リース本社ビルAwagin Lease Head Office
徳島県徳島市
設計 | 古谷誠章+NASCA |
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用途 | 事務所 |
構造 | S |
規模 | 地上4 |
敷地 | 992.94㎡ |
延床 | 2,179.77㎡ |
竣工 | 2023.09 |
徳島県庁の向かいに建つ4階建てのオフィスビルである。徳島市内・眉山を一望することができる眺望に恵まれ、周辺の新町川・眉山・ケンチョピアなどの豊かな景観に囲まれる恵まれた立地であった。周辺環境を享受し、この場所性を感じる内部空間とするために、南側に水平力を負担するRCのコアを配置し、東・北・西面は、鉛直荷重のみ負担する鉄骨造とし、壁のない開放的な空間をつくりだした。鉄骨の柱・梁は平面的に45度方向に傾いて配置し、梁が途中まで伸びていくようなオープンエンドな軸組空間をつくりだした。もともとこの敷地を含むひょうたん島を囲む阿波銀グループの建物の一つとしてシンボル的な建物が求められた。コーポレートカラーである藍色の外壁にエキスパンドメタルのスキンがレイヤー上に重なる構成とし、どこからみても異なる表情をもった外装が生まれた。ザラザラとした外装とは対称的に、ガラスの開口部はガラスリブ工法を採用し、室内のパノラマ的なビューを阻害しないディテールとなっている。これまで地域の人々の生業を支えてきた阿波銀リースの格調と気品が継承しつつ、次の世代も長きに渡り人々に愛着を持ってもらえるような親しみやすい建築となり、ここで働くこと自体がやりがいや誇りに結びつくような豊かで先進的なニューオフィスとなることを祈念している。
撮影 淺川 敏