あるくらすARUKURASU
北海道雨竜郡沼田町南1条1丁目8番25号
設計 | 古谷誠章+NASCA |
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用途 | 診療所、福祉施設 |
構造 | RC+W |
規模 | 地上1 |
敷地 | 9,721.74m2 |
延床 | 1,894.08m2 |
竣工 | 2017.08 |
北海道沼田町はかつては炭鉱の町として栄えた町であるが、急カーブで人口は減少しており、同時に高齢化も進み、現在の人口は約3100人。町域と公共施設のコンパクト化が進められ、石狩沼田駅を中心に、ほぼ半径600メートルの範囲内に主要な施設を集約し、管理運営の効率化を目指し、小・中学校や保育所、高齢者の施設などのすべてを、いわゆる徒歩圏内に再配置することで、車に頼らなくても町内を歩いて廻ることが可能となり、あわせて町民の健康増進にも役立てようとする試みが進められていた。
そこで、施設の維持管理費に経費のかかっていた町内唯一の病院をコンパクトな診療所として再生することと、高齢者向けのデイサービスセンター、地域住民の健康相談に応えるための「暮らしの保健所」やコミュニティ・カフェからなる「地域あんしんセンター」を計画した。病院や療養施設がそこに入院・入所する人にとっては、その時そこに暮らす"住まい"であり、新しい施設が町民にとって「大きな家」となるよう、怪我や病気の人だけが来る施設ではなく介護を高齢者だけが集う施設でもなく、あらゆる世代のあらゆる人々が自然に過ごす場所であることが肝要だと考え、病院や診療所の待合室をただ診察を待つ空間と考えるのでなく、そこに行き交う人々が出会い、交流し、教え合い、支え合うような、「まちの広場」となるよう計画をした。
撮影 淺川 敏