早稲田大学會津八一記念博物館Aizu Memorial Museum, Waseda University
東京都新宿区西早稲田1-6-1
設計 | 古谷誠章+NASCA |
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用途 | 美術館 |
構造 | RC |
規模 | 地下1階、地上7階、塔屋1階 |
敷地 | 73,659.56㎡ |
延床 | 1,510.61㎡ |
竣工 | 1998.05 |
受賞 | 1999年 日本建築学会作品選奨 |
掲載 | 新建築1998.07 |
数十年間にわたって早稲田大学の図書館として歴代の学友に親しまれてきた、今井兼次の設計による二号館の博物館への改修計画である。會津八一のコレクションである東洋美術の作品をはじめ、アイヌ民族衣装や明器など多種多様な展示品が公開される。私たちはこの博物館をただ物を陳列するためだけの展示空間とせずに、ここへ来て長い時間をかけて集められた品々と対話し、遠い過去の時代に思いを馳せ、様々な展示品と共にある時間を過ごすための、「 物を読む図書館 」とも呼べる博物館にしたいと考えた。 かつて大きな閲覧机が並んでいた空間に、あたかも展示物を載せたテーブルが整然と並ぶかのように、フレームのないガラスのケースがグリッド状に配置されている。それらの多くは視線の高さを超えないものとし、展示室を一まとまりの大きな空間として感じられるように配慮した。展示に決められた順路はない。各人が思い思いに展示品に近寄り、満足の行くまでその傍らで過ごすことができるよう、ケースとケースの間にはベンチが配され、さらに個々のケースには引き出して使える腰掛けが設けられている。