専修大学北上高等学校Senshu University Kitakami high school
岩手県北上市
設計 | 渡辺・NASCA・アトリエR設計共同体 |
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用途 | 高等学校 |
構造 | RC |
規模 | 地上4 |
敷地 | 25,064.58㎡ |
延床 | 1号館:4,635.93㎡ 2号館:4,771.84㎡ |
竣工 | 2024.7 |
受賞 | 2021専修大学北上高等学校第1校舎建て替え設計プロポーザル案 最優秀賞 |
旧第一校舎を解体したのちの校庭部分の大きさを十分に確保し、第二校舎との連携をスムーズにするため、敷地に沿って雁行したプランを提案した。このプランにより、敷地を最大限に活用することが可能となり、旧一号館跡には緑陰の庭を計画、明るい南向きの教室も実現した。雁行配置により生まれた廊下空間は、従来の直線の廊下空間とは異なり、生徒たちにとっての居場所となる溜まりの空間を携えている。その廊下には、北側外観の特徴ともなる、片持ちのR階段を計画した。専修大学北上高等学校は、普通科、商業科、自動車科からなる、多様な学びを提供している学校でもあるため、各階をつなげるR階段は、異なる科の生徒間での交流やコミュニケーションを促進するツールとなることを期待した。また、普通教室だけでなく、より主体的で活発な学びを促進するため、利用形態を限定しない、アクティブラーニング室を各階に設けている。 教室と廊下間は開閉可能な建具とし、授業形態によって自由に開閉し使用できる。廊下には木材と吸音材を併用した天井、壁を計画することで、内装木質化を実現すると共にオープンタイプ教室にとって課題となる吸音性能も確保した。廊下の壁には、ニッチ状の凹みを設けることで、ベンチや棚の機能を付与し、木ルーバーには展示物を貼ることも可能としている。 周辺市街とのより活発な連携・協働が図れるよう、正門の近くに特別なアクティブラーニング室としての「アクティブホール」を配置した。高校生の日常的な学びの場としての活用のほか、地域住民のバザーや、高校生や小中学生、地域住民の作品展示、 活動紹介などにも利用することで、学校と地域の出会いの場としての機能が期待される。
撮影 淺川 敏